スクランブラーとバイク屋のおやじ3人でキャンプへ その1




先日、車検の帰りにいつものようにノースウイングJCさんに寄ったら、RBRの乳深さんがBMW R100RSサイドカー付きのクラッチのオーバーホールを手伝っておられました。乳深さんにお会いするのは久しぶりです。他の車両の作業を手伝いながら楽しい時間を過ごすことができました。
そのお手伝いの合間の休憩中に、「スクランブラーでキャンプに行きたいねー」「いいねー!」「賛成!」ということから、天気と3人の都合により、今回のキャンプツーリングとなった次第です。
ところで、ノースウイングJCさんは、今はもう辞めておられるのですが以前はBMWの正規ディーラーであり、当時、私も乗っていたR1100RTが主流のころから不人気車種だったGSに力を入れ、昨今のGSのブームのはしりを作ったと云っても過言じゃない程の実績を持った正規ディーラーでありました。
また、当時BMW GSの定番タイヤと云えばコンチネンタルのTKC80だったのですが、国内では正規販売されていなかったメッツラータイヤのカルーを最初に国内へ導入したのは、ノースウィングJCさんです。意外でしょ。
私がBMWR1200GSに乗っていたとき、確かサーボブレーキ誤作動による「あわや転落事件」の頃だと記憶していますが、高田さんから「最近のBMWには魅力がなくなった」と聞いて、バイク屋としてはびっくりしたことを思い出します。
私のサーボブレーキ誤作動のことも含み、ハイテク満載先進テクノロジーの新型車両での誤作動トラブルの数々に、「販売してきた車両のメンテナンスはやるけれど、これからBMWの新車販売はしない」と話しておられました。言葉にはできない思いがあったことは、ライダーとしてバイクを楽しむバイク屋として察するところがあります。
いつ立ち寄ってもBMWでは特にR100系のOHVモデルが、トライアンフでは空冷モダンクラシックのボンネT100やスクランブラーが、メンテナンスで遠方からも数多く入庫しているから、バイク乗りとしての実体験をフィードバックした丁寧なアフターメンテナンスによって、バイクを楽しむライダー達から信頼されていることが判ります。

スクランブラーで久しぶりのツーリング!


ここの所アフリカツインばかり乗る機会が多かったので、久しぶりのスクランブラーは、「これ、これ、この感じ!」。気持ちの中でにんまりとしながら、待ち合わせ場所であるノースウィングJC南店へ向いました。
スクランブラーNWJC2014仕様は、最新バイクであるアフリカツインと比べるとトラクションコントロールもABSもなく、スペックでは何一つアフリカツインを凌ぐモノはありません。
しかし、アナログ感満載でバイクからの情報が乗り手にダイレクトに伝わり、操っている感が何とも心地よい。
また、トライアンフ空冷モダンクラシックには、NWJCトレッキングごっこの経験から得た丁寧なスロットルワークやブレーキングでバイクとの対話を楽しみ、ライダーとして人車一体で操る面白さがあります。
それはうちのカミさんも同感のようで、今はNC750XLDに乗ってはいるが、以前乗っていたボンネビルSEについて「私の心に残る思いで深いバイクでベストマッチだったからもう一度ボンネビルSEに乗りたい」と常々口にしているほど。
高田さんがいつも言われている「バイクを操る事は体を操るコト」。その基本はトレッキングごっこを経験すれば誰でもわかるし、それをライダーとしてスクランブラーで実感できる処が実に心地よい。
今回、行きのルートは年間の大半が通行止めになる国道157号線。距離的にはそれ程ないので昼食を取ってからの出発となりました。

天候が良くなってきて路面も乾いてきているものの、車同士のすれ違いも儘ならないような道幅で、所々崩落や落石があり、行く手が川になっている処もあるという一時も気の抜けない正に酷道です。

その夜のキャンプでは、高田さんのキャンプ定番メニューから僕風にアレンジしたペペロンチーノを用意して、皆でキャンプならではの食事を楽しみながら、バイク屋のオヤジ3人はバイク談義で盛り上がりました。

等身大のバイクライフ

「今日の様なルートだったら、”アドベンチャーで初心者でも楽々走れるアフリカツイン”で来た方が良かったんじゃないの?」と高田さんから冗談交じりに言われました。
正直なところ苛酷でタイトなルートほど、アフリカツインの車格では来たくないですよね!
それに、トラクションコントロールやABSが搭載されているおかげで、突然作動した時には、乗り手がイメージした操作をしたくても、タイヤには駆動が伝わらず思いもよらない挙動になり、かえってパニックになって危険なこともすでに経験済み。
雑誌などでは、初心者でも云々・・・などと書かれているが、初心者が道も選ばず、楽々乗れるほどアフリカツインは甘くないことも付け加えておきます。
もちろんトラクションコントロールもABSも、作動した時というのは、ラフな操作により異常を感知した時だとは思いますが・・・。
高田さんがブログで書かれていることにはまったく同感で、カテゴリーを問わず車格が大きくなるほど、楽しむフィールドを狭くしてしまうことを実感しています。
一例をあげると、あの当時の若さと勢いでBMW K1200LTに乗った時、最初に見た車格のでかさと、車両重量、足付きの悪さ、エンジンは低速時のツキの悪さなど、一生懸命頑張って乗ろうとはするものの、新車をおろして早々に引き回しで倒してしまいました。
恥ずかしさから必死の馬鹿力で起こしものの足首の筋を痛め、ツーリングに出掛けた時には、駐車場でのUターンで、エンジンのツキの悪さのために立ちゴケをしたこともあります。
巧く乗る事への気負いばかりで、つくづくこの車両とは相性が合わないと思うと、熱が冷めたように自分自身の気持ちがBMW K1200LTから離れて、7,000Kmぐらいで早々に手放した覚えがあります。

オヤジライダーとして思うこと

57歳も過ぎると、気持ちは若いころと何ら変わっていないのが災いとなり、思わぬことで体の老いを感じざるを得ません。
情けない事ではあるけれど、店の駐車場内でビッグバイクを押してバックさせている時に、ハンドルが右に切れたのを左手に目いっぱい力を入れ戻そうとしたところ・・・、肩から「ゴキ!ゴキ!」と音がしたかと思ったら激痛が走り、肩が上がらなくなってしまいました。
「あーっ!今までこんなこと無かったのにな~」と、まさに老いを実感した瞬間でした。
自己表現のために衒いや気負いだけでバイクに乗ることは、装飾品を身に着けて飾る事と変わりなく、バイクを操る楽しさや醍醐味に出会う機会を得ることがないままに、老いと共にバイクライフが終わってしまうのではないでしょうか。
年齢的なことも含み、等身大で楽しめるバイクにダウンサイジングすることは、新たにフィールドが広がり、新たなバイクライフの魅力にも出会えることをオヤジライダーとして実感しています。
それは肩を痛めたこともありますが、カブ110NWJCコンプリートに乗り、四国や東北などへロングツーリングで出かけて、一般道を気持ちよく走り続けることで、ビッグバイクでは見えなかったモノがいろいろと見えて、ダウンサイジングの楽しさや面白さは、等身大のバイクライフに於いても広がりがあることを実感したからです。
などなど、バイク屋たちの失敗談や体験談、あるべき姿などの話で盛り上がり0時を回る頃眠りにつきました。

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