スクランブラーNWJC2014仕様に初めて試乗




7月にスクランブラー東北ツーリングに出掛けた時に高田さんから「僕達のスクランブラーは全車NWJC2014仕様だけど、君だけは2010仕様かい?」と言われ、ずーっと気になっていました。
どうしても今年中に乗っておかなければ!と思いつつ、いよいよ年の瀬になってしまいましたので、高田さんにお願いをしてキャブ車のスクランブラーNWJC2014仕様に初めて試乗させてもらうことに。
同じ270度クランクで鼓動感も似た感じのホンダNC700XNWJCコンプリートに乗る高田さんと二人で、東濃方面へ200数十キロのツーリングに出掛けました。

これが同じスクランブラーなのか?

2014仕様のスクランブラーに跨った瞬間フワァ~とサスが沈み込みます。ただ軟らかいだけではありません。「何と云うしなやかに動く足回りなんだろう?」と、走り始める前にサスの違いにすぐに気付きました。
走り出して、街中で交差点を廻る時は軽快に気持ち良く曲がります。ワインディングでは、フロント、リアともに接地感がありバンクさせると気持ち良く曲がり始め、切り返しではヒラヒラと軽快にアクセルと連動した動きが気持ち良い。
コーナーを立ち上がる時は、キャブ車でありながらインジェクション車以上に滑らかにスルスルと加速します。車速がグングン上がってくる加速感は、同じスクランブラーとは思えない、まるで別物。
普通に流して走っている時も、郊外へ出てワインディングを走っている時も、サスはしなやかであるけど踏ん張り感があり、タイヤの接地感が分りやすく、とにかく乗りやすくて楽しい。
切り返しもフレームの剛性がしっかりとした感じで安心感があり、立ち上がりでの力強い加速感はスクランブラーとは思えないエンジンフィーリングです。エンジンとサスが絶妙にバランスしていて、何度も云いますがとにかく乗り易く楽しい!同時に乗っている間中「ここまで進化しているのか!?」と衝撃でした。
オートバイ屋目線でチェックをしてみましたが、マフラーを変えたり、もちろん二次エアーをキャンセルするような違法改造はまったくされていません。どこが?何が?外観からはまったく分かりませんでした。でも乗った感じは、驚くことにまったく別物なんです。

東北ツーリングのレポートでも書きましたが、私の2010仕様といわれるスクランブラーも、もちろんエンジンコンデションを整え、前後のサスペンションもNWJCオリジナルWPに換装もし、アドバイスを頂きながら同じようにセットアップしてある車両なのに、何故?ここまで違うのでしょうか?
「だからあの時、高田さんをはじめ、いつものメンバーは、ドシャ降りの雨の中をスイスイと楽そうに走り続けることができたのか!いつものメンバーも頑張って走っていると思っていたのに、頑張って走っていたのは私だけで、自分だけが疲れていた理由がこれか!ズルイナ~」とまで思えてしまいます。

先入観か、思い込みか

私自身スクランブラーのスタイリングは大好きでしたから、高田さんと一緒にキャブ車を新車から乗っていました。しかしキャブ車のエンジンパワーには少々不満もあり、インジェクション仕様が出るのと同時に乗り換えて今に至るので、オートバイ屋としてスクランブラーのポテンシャルがどの程度なのか分っているつもりでした。
正直なところ、キャブ車のNWJC2014仕様は、私のインジェクションNWJC2010仕様と比べて、エンジンパフォーマンスは同じかそれを少し超えた程度、ハンドリングは、プリロードなどを少しソフトなセッティングに変更した程度で、大して変わらないと高をくくっていました。
ところが、NWJC2014年仕様は、2010仕様とはまったくの別物であり、途轍もない進化は衝撃でした。
高田さんの、トライアンフ・モダンクラシックへの特別な思い入れから、ライダーとして実体験を繰り返し、それにメカニックの感性を加えることで、バイク屋NWJCの『速さより心地良さで走り続ける楽しさ』をテーマにした、”乗りこなすより、気持ち良く使いこなせる車両”を具現化した逸品です。
帰ってきて「まさか!ここまで違うとは思わなかった!なんでもっと早くに試乗しなかったのだろう」と高田さんに伝えたところ、「所詮スクランブラーは・・・という先入観で、自分自身の車両とそれほど変わらないだろうと思っていたやろ?また、ライテクで乗りこなせば上手く走らせることができると思っていたやろ?」と耳の痛い答えが返ってきました。
「その車両が初めてのライダーに、全然ちがうでしょ?と言ったところで、違いが分るとは思えないが、乗り続けて違和感を持っているライダーには、乗り比べて違いを体感してもらうことはできる。自分の車両が最高と思っている君のようなライダーに、求められていないことを無理に押し付けたくはないし、押し売りはしない!」と続けて返ってきました。

専門店とは?

一般的に耳にする専門店とは?多くの方が思いつくのが、メーカー系の車両販売を主体としたディーラーが専門店の様です。販売においては、カタログデーターや疑似体験をベースに「これ最高ですよ!」と謳い、乗り始めてから車両のコンディションや違和感などを相談しても、「こんなもんですよ!」の対応で専門店と云えるのでしょうか・・・。
そこのショップが拘りを持ち、自分自身ライダーとして楽しみながら、多くの実体験を積み重ねてノウハウを蓄積して、問題点や違和感に思う所を対策してモディファイをして、走り続ける程に愛着の持てる車両を提供できてこそ本当の専門店だと思います。

ノースウイングJCの高田さんは根っからの遊び好き(?)。バイク好きでツーリング大好き人間。お気に入りのバイクは、スペックや雑誌のレビュー云々などまったく気にすることもありません。そして、乗りながら違和感に思うところを何故?どうすれば・・・とそのこと自体を楽しみ、メンテナンスやモディファイは徹底的にこだわっています。2次エアーキャンセルパーツやマフラーなど、誰でも取付けができるボルトオンパーツは敬遠して、乗れば乗る程に愛着が湧いてくる一台に仕上げています。
新車から乗り始めてナラシを終えて、NWJC独自のノウハウを注ぎ込む。新しい旧いや走行距離も関係なく、進化していく過程を楽しむ。乗れば乗るほどに愛着の湧いてくる一台に乗っているいつものメンバーはじめノースウイングJCの多くのライダーはとても幸せだと改めて思いました。
羨ましい限りで、当店では時間的なことや店の形態からも中々まねできることではありませんが、そこは餅屋は餅屋。腐れ縁でもある高田さんにアドバイスをもらい、少しでも近付けるよう頑張って、多くのライダーに気負うことのない等身大のバイクライフを提案していきたいと思います。

スタンダードとは一味も二味も違うNWJC2014仕様

スクランブラーの270度クランクの鼓動感やスタイルがとても気に入り、キャブ車、インジェクション車と2台を新車から乗り継いでいるのですが、メーカー出荷のスタンダード車両のまま乗っていたら、楽しめる車両ではなかったし、とてもロングツーリングなどを楽しもうとは思わなかったと思います。
スタンダードの車両しか知らなければ、今回のような話は想像もできない話で、「何を馬鹿な事を言っているんだろう?」とか「そんな事ある訳ない!」となるでしょう。
今回のスクランブラーの試乗は何が云々というよりも、まったく別物へと進化していたNWJC2014仕様の実力は衝撃的でした。早速、私のNWJC2010仕様のスクランブラーもNWJC2014仕様へとモディファイしていただきました。出来上がると同時に試乗すると、しなやかな足回りと力強い加速力を持ったエンジンフィーリングが絶妙にバランスした、とにかく乗っていることが楽しくなる、あの乗り味へ進化していました。

モダンクラシックらしく気負うことなく走り続ける楽しさがあり、スタンダードやボルトオンパーツを組み込んだ車両とは一味も二味も違う、当店のNWJC2014仕様インジェクションのスクランブラーは試乗OKです!是非一度乗ってみてください。

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